千葉県市川市にて「独立系FP」として活動する行政書士事務所代表のブログサイトです!

【アラフィフの終活入門④】1級FPが考える「全国民が知っておきたい相続税の基本」

このシリーズでは30代・40代になって親の高齢化が気になり始めた方、そして50代になって自分の人生後半戦を軽やかにしたい方。
いわば『相続のサンドイッチ世代』の皆さんへ向けて、私の知識と実体験をお届けします!

50代を迎えると、親の世代のことも含めて「相続」という言葉が急に身近に感じられるようになります。
大切なかたが亡くなったとき、手続きもハードですがメンタル管理も大変です。

関連記事:「大切な人が亡くなった喪失感」をどう乗りこえるか?わたしが1年かけて見つけた1つの死生観


そんななか、相続税も絡んでくるとより大変です。

わたしの場合、母親が亡くなったときは相続税の心配はなかったのですが、もし相続税申告義務があったらゾットします。


将来の不安を解消し、大切な家族に資産をしっかり残すためには、知識を早めに身につける重要性を実感しました。


「相続税?うちは関係ないでしょ?」はまずいかも。

相続税なんて、うちみたいな一般家庭には関係ないお金持ちの話でしょ?

そう思っている方は非常に多いですね。
しかし、近年の法改正や地価の上昇により、ごく普通の会社員家庭でも相続税の申告が必要になるケースが急増しています。

1級FP技能士の視点から言えば、相続税対策は「知っているか、知らないか」で手元に残るお金が数百万円単位で変わる世界です。


まずは「ご自身の家庭が対象になるのかどうか」を、そして対象となる場合に、「どのような賢い備えができるのか」を確認していきましょう。


「基礎控除」の計算式はマスターしよう!

まず、「基礎控除」という概念からです。

相続税には、「遺産がこの金額までなら、税金は1円もかからないし税務署への申告も不要」という非課税のボーダーラインがあります。これを「基礎控除」と呼びます。

まずは、以下の計算式に当てはめて、ご家庭のボーダーラインを計算してみましょう。

  • 基礎控除の計算式:
    3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)


これは非常に重要な公式なので暗記してもいいくらいです。


たとえば、お父さんが亡くなり、法定相続人が「お母さん」と「子ども2人」の計3人の場合は以下の通りです。

3,000万円 + (600万円 × 3人)
= 4,800万円


このケースでは、亡くなったお父さんの遺産(預貯金、不動産、株式などすべて合わせた額)が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。

まずは「財産の総額」と「基礎控除額」を把握することが、すべてのスタートラインになるのです。


2024年の「生前贈与」のルール変更で長期計画が超大事!


そっか。
うちは相続税がかかりそうだから、今のうちに子どもへ現金をわたして財産を減らしておこう!

この対策を「生前贈与」といいますが、これは昔から非常にポピュラーな手法です。
年間110万円までなら贈与税がかからないという「暦年贈与」のルールをご存知の方も多いでしょう。


しかし、2024年(令和6年)1月1日に重要なルール変更がありました。
それが「持ち戻し期間」の延長です。

以前から「亡くなる前3年間の贈与は、なかったことにして相続財産に足し戻す(持ち戻し)」というルールがありました。これは亡くなる直前にあわてて贈与して税金逃れをするのを防ぐためです。


ところが、法改正により、2024年1月以降の贈与分から、持ち戻しの対象期間が「3年」から「7年」へと段階的に延長されることになりました。

つまり、「自分が元気なうちに、なるべく早く贈与をスタートする」ことの重要性が以前よりも高まっています。


相続と贈与は「長期計画」が必要!


7年も前の贈与まで相続税の対象になってしまうため、ギリギリになってからの対策では間に合わない時代になったのだと認識しておきましょう。

ちなみに財産が多い場合は、あえて贈与税を払うというのも一つの手です。

参考記事:駆け込み贈与戦略!「なぜ510万円を生前贈与するべきか問題」を考える。


「小規模宅地等の特例」は最強のカード

もう一つ。
相続財産の中で、最も大きな割合を占めやすいのが「実家(不動産)」です。
もし都内にマイホームを持っていれば、それだけで基礎控除をオーバーしてしまうご家庭も少なくありません。

そこで絶対に知っておくべき強力なカードが「小規模宅地等の特例」です。
これは、亡くなった人が住んでいた自宅の土地を同居親族が相続する場合、「330平方メートル(約100坪)までの土地の評価額を80%オフにしてあげる」という特例です。


「20%オフ」ではなく、なんと「80%オフ」ですよ!


たとえば、評価額「5,000万円」の自宅の土地であれば、この特例を使えば80%オフの「1,000万円」として相続税の計算ができます。

そうすれば基礎控除の枠内に収まり、結果的に「相続税はゼロ」になるケースは多々ありますよね。


💡 税金がゼロでも必ず相続税申告を!

ここでひとつ注意点があります。「税金がゼロになる場合でも、必ず税務署へ相続税の申告(期限は10ヶ月以内)をしなければ、この特例は適用されない」という厳しいルールがあるのです。

「計算したらゼロだったから何もしなくていいや」と放置すると、あとから多額の税金を請求されるため注意が必要です。

また、10か月という期間も要注意です。
スケジュールは事前にチェックしておきましょう。


参考記事:【50代の終活シリーズ➂】10ヶ月はあっという間!「相続スケジュール」と「失敗しない備え方」を考えよう


納税資金の準備:生命保険を活用した「出口戦略」

相続税対策というと「税金を減らすこと」ばかりに目が行きがちですが、わたしが強くお伝えしたいのは「納税するための現金(資金)を用意しておくこと」の重要性です。

相続税は原則として「現金一括払い」です。
「遺産の大半が不動産で、手元に現金がない!」という場合、住み慣れた家を泣く泣く売却ぜざるを得なくなるかもしれません。


相続準備では「Cashはどんどん交換するべき」だけど、
相続後においては「Cash is King」なのです。


そこで有効なのが「生命保険」を活用した出口戦略です。
というのも、生命保険の死亡保険金には、残された家族の生活を守るため、現預金とは別の非課税枠が用意されているからです。


具体的には以下の式です。

  • 生命保険の非課税枠の計算式:
    500万円 × 法定相続人の数

法定相続人が3人なら、1,500万円までの死亡保険金には税金がかかりません。

さらに、もし銀行口座が凍結されても、受取人が直接保険会社に生命保険金を請求すれば、比較的スピーディーに現金を受け取ることができます。これを「相続税の支払い資金」や「葬儀費用」に充てることで、ご家族の経済的なパニックを防げるでしょう。

銀行の「払い戻し」は依然として時間がかかりますので、保険のメリットがここでも効いてくるんですよね。


直前になって慌てて動いても、選べる選択肢は限られてしまいます。
元気で判断力がある50代の今だからこそ、家族のために先を見据えた準備を整えておきましょう!



相続税の見通しが立ったら、実際の手続きは行政書士にご相談いただくとスムーズですのでぜひ!

相続・終活のご相談はお任せください

遺言書・エンディングノート・相続手続きのご相談を承っています。

「シロベース行政書士事務所」では、相続のサンドイッチ世代が直面する財産整理・遺言書作成・エンディングノート作りをサポートしています。何から手をつければいいかわからない段階でも大丈夫です。まずは無料相談から、お気軽にご相談ください。

🌿 わたしの活動について

これまでの人生経験をもとに、「シロベース行政書士事務所」を開業しました。

わたしのテーマは「制度を理解して人生の次の一歩を支えること」。
人生の転機に関わる分野に取り組みたいと考えています。

  • 外国人の在留資格などの国際業務
  • 補助金・助成金の活用支援
  • 遺言書・エンディングノート作成サポート

これらの制度は難しく見えますが、知っている人にとっては「強力な味方」になります。
行政書士としての活動の様子は、これからも順次発信していきます!


📘 Kindle著書について

これまで18冊の電子書籍を出版しています。
人生や資格をテーマにして、FP・宅建士・行政書士試験対策、旅の記録、断薬の体験記などを執筆しています。
ご興味があれば、「わたしの活動紹介」をぜひのぞいてみてください!

👉 Kindleなど各サービスの詳細や最新情報は以下でまとめています。



この記事を書いたのは私です

ケンタ
ケンタ
行政書士・1級FP技能士・宅地建物取引士
「複雑なしくみをわかりやすく」をモットーに、お金と人生の実践的な情報を発信しています。
2026年9月、千葉県市川市に「シロベース行政書士事務所」を開業(行政書士登録番号 第26103250)。会社員時代は約20年にわたりIT・経理・財務など複数業界の管理部門を経験。Kindleでは18冊出版しています!

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