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【コロナ時代の失業戦略】雇用保険制度の「おわりの始まり」に備えよう

うう。会社をリストラされそうです。
でも、失業保険がでるから大丈夫だよね。

うーん……これからは失業戦略を練ったほうがいいですね。


2020年に全世界を襲った「コロナ(Covid19)」というウィルス。
それによって大きなダメージを受けたかたも多いでしょう。

とくに「職を失う」という悲劇にあったかたは、これからは別の生き方を模索しなければなりません。

たとえば、失業保険(正式には「雇用保険の基本手当」)。
コロナ前までは「失業時のセーフティネット」として機能していました。
ただ、これからは本当に機能するかどうかは注視しなければなりません。

そこで今回からコロナ時代の失業戦略について一緒に考えていきましょう。

そこで、私が提案するのは次の3つです。

  1. 自分の現状を整理しよう。
    →自分がどうしたいのかを考える時間をもとう。
  2. 社会保障制度を知ろう。
    →失業した場合のセーフティネットをできるだけ知識として蓄積しよう。
  3. 最大限に社会制度を利用するためにプランを立てよう。
    →計画こそ正義です。


今回はこのなかの「社会保障制度を知ろう」を強化しましょう。
ここで見るべきポイントは次の2つです。

「雇用保険の基本手当の金額」と「財源」。


これから「失業保険が頼りにならない」時代へ

厚生労働省のHPを見てみると、なんと基本手当日額等の金額が改訂されていることに気づきました。

参考:令和3年8月1日からの基本手当日額等の適用について

この情報から、失業保険の上限額が下がることがわかります。
基本手当だけでなく再就職手当などの就業促進手当も対象となります。
これらの手当は「毎月勤労統計」の平均給与額の増減により決定されるので、給与が低下する今の局面ではセーフティネットも薄くなってしまうのです。

さらに「基本手当」というのは基本給の45%〜80%へ減額されるので会社勤務していたときとは収入額がまったく違います。
その上、天引きされてきた社会保険料(年金や健康保険)は労使折半ではなくなり、全額自己負担になるので負担率も予想以上に上がります。

そして、住民税も要注意!
もう一度いいます。

住民税だけは本当に注意なのですよ。

働いていた年度の給与所得が翌年に課税されるシステムとなっているので、翌年にとんでもない税額を徴収されることになります。

余談ですが、会社を退職したら翌年まで「住民税用のお金」を別に用意しておくことをおすすめします。

要するに、会社を退職したらかなりのジリ貧になることが予想されるのです。
セーフティネットはあくまで最低限の保証しかしてくれません。
いや、最低限を本当に保証できるかどうかもあやしい……


雇用保険の財源が急速に悪化している!

コロナ禍でみなさんもお気づきの通り、税金や社会保険料は厳しい局面に追いやられています。
つい先日もこのようなニュースもありました。

参考:雇用保険料引き上げ検討、厚労省 財源逼迫、雇調金支給4兆円超え

財源が逼迫されているため、雇用保険料が引き上げられる可能性があるという内容です。
これをもとに財源について掘り下げてみましょう。

(1)まず、雇用保険の4事業を知ろう。

まず、簡単に雇用保険の財源についてざっくりまとめしょう。
雇用保険は「特別会計」といいまして、一般財政とは別の独立した制度で管理されています。
そのなかで、雇用保険は下図のように4つの事業に分類されています。

その中でも注目すべきは次の2事業です。
私たちに最もなじみのある「失業保険」などの「雇用保険給付事業」。
最近話題となっている「雇用調整助成金」などの「雇用保険二事業」。

そして、「雇用保険給付事業」の財源は「積立金」で、「雇用保険二事業」は「雇用安定資金」でまかなわれます。

まず、これらをおさえた上で本当に財源が逼迫しているのかをみてみましょう。

(2)雇用保険給付の財源(積立金)の推移をみてみよう

コロナ前までの雇用保険の財政状態はけっこう潤沢でした。
運用成績も良好のため積立金や雇用安定資金も残高が増加傾向にあったのです。
雇用状況も比較的安定していたことも起因しているでしょう。

しかし、コロナによって状況は一変しました。
潜在的失業率の上昇と「雇用調整助成金」という膨大な手当金によるものです。

雇用保険の財政はどのように変化したのでしょうか?

金融ジャーナリストの鷲尾香一氏の記事(「実はもう財源枯渇:コロナ禍「雇用のセーフティーネット」の深刻状況」)によるとその真相が明らかにされています。

まず、「雇用保険給付事業」の財源である「積立金残高」をみてみましょう。

引用元:実はもう財源枯渇:コロナ禍「雇用のセーフティーネット」の深刻状況」


このグラフからもわかるように雇用保険受給者の数が2020年から増加しています。
それとは対照的に、雇用保険積立金の残高は2020年には半減しており、2021年(予測値)になるとほとんどその影がないくらいにかすんでしまっています。

(3)雇用保険二事業の財源(雇用安定資金)の推移をみてみよう


次に「雇用保険二事業」の財源である「雇用安定資金残高」をみてみましょう。

引用元:実はもう財源枯渇:コロナ禍「雇用のセーフティーネット」の深刻状況」


たしかに2019年までは順調に残高が増加しておりますが、ひどいのは2020年の下落ぶりです。
鷲尾氏のコメントによるとまさしく「首の皮一枚」なのです。


19年度に1兆5410億円あった残高は、20年度には94.4%も減少し、わずか864億円まで減少する見込みだ。さらに21年度の残高も864億円と予想されており、雇調金制度は“首の皮一枚”でつながっている状況となっている。

引用元:実はもう財源枯渇:コロナ禍「雇用のセーフティーネット」の深刻状況」


これらをみる限り、雇用保険の将来はかなり厳しいことがわかります。
来年の予算案は注意してみておきましょう。


コロナ禍では失業戦略を立てておこう。


そうか……
この状況で失業してしまったらまずいよね。
でも、万が一リストラされたらどうしよう。


セーフティネットが脆弱化してしまったこの状況下。
今安定的な職をもっている方でも失職した場合のPlanBは誰もが考えなければなりません。

そこで、冒頭でもお伝えしたように私の提案は次の3つです。

  1. 自分の現状を整理しよう。
  2. 社会保障制度を知ろう。
  3. 最大限に社会制度を利用するためにプランを立てよう。


自分の現状と将来をどうしたいのかを考えながら、知識を蓄えていきましょう。
知識こそ力です。


この記事を書いたのは私です

ケンタ
ケンタ
1級ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士。
【経歴】1977年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、多種の業界で管理部門をほぼ経験しました!(IT、経理、経営企画、財務、人事、マーケティング)
【得意分野】人生設計やプラン作成、分かりやすく説明したいです。
【趣味】カフェめぐり(日本全国のスタバ旅など)グルメ、ストイックな勉強。

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