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「お金の大学」で学ぶべきは「金持ちのなり方」ではなく「マーケティング」である


いまさらながら、両@リベ大学長著「お金の大学」を読みました。



100万部突破した大ベストセラー。
読んでみた実感としては内容よりも「マーケティング」を勉強するのに最適な本だと思いました。

「なぜこれがベストセラーになっているか」という背景を考えましたね。

この本の勝因は次の5つ。

  • ペルソナが明確である。
  • 多数派をターゲットにしている
  • ターゲット読者のことを熟知している。
  • 「アーリーリタイア」という欲望をダイレクトに刺激している。
  • イラストと図解というわかりやすさで訴求力をアップしている

ペルソナは「アーリーリタイヤ希望の金融初学者」

この本が売れまくっているのはターゲット読者をゴリゴリに絞っているからです。

ペルソナ(想定読者)はこのような人でしょう。

アーリーリタイアを達成するために、これからお金のことを勉強したい!



そして最近はそのような人が増えていますし、実際に周囲にも多くなった気がします。

実際に、100万部以上売れている事実がそれを物語っています。

なぜ節約方法を紹介すると売れるのか?

リベ大の「お金の大学」で学ぶべきは「金持ちのなり方」ではなく「マーケティング」である



この本では「自由な生活を手に入れるためにはどうすればよいか」という観点から「5つの力」を紹介しています。

  1. 貯める力 (支出を減らす)
  2. 稼ぐ力 (収入を増やす) 
  3. 増やす (資産を増やす力) 
  4. 守る力 (資産を減らさない力)
  5. 使う力 (人生を豊かにすることにお金を使う力)と言う



そして、実際にそれぞれのページ数をカウントしてみると以下のようになりました。

カテゴリーページ数
1.貯める力124
2.稼ぐ力 36
3増やす 60
4守る力 5
5.使う力 4



これをみてわかるように、圧倒的にページ数を割いているのは「貯める力」「増やす力」です。

「貯める力」はつまり節約術。
節約はすごく身近でお手軽です。
収入を増やしたり、投資を勉強するよりもハードルは低いし、今すぐにできるので魅力的に見えますよね。

また、節約すると短期的な成果がみえやすいので「今月はこれだけ節約できた」という満足感をすぐにゲットできます。おりしもインフレと円安がすすんでいるので、テレビやブログなどのメディアはこぞって節約方法を特集しています。

視聴率もとれますしね。


つまり、「節約術」は多数派の人が反応しやすいジャンルなのです。



余談ですが、節約は短期的に得したとみえても長期的には大きな損失を被っていることもあります。

たとえば、10円を節約するために自転車で隣町のスーパーまで買い物したら、10円得したという満足感は得られるものの時間を失っています。

時給換算すれば損していることは明らかなのにね……
これが人間の性よ。



多くの人は勉強がきらい。

節約はたしかに大事ですが、人生に大きなインパクトを与える知識も身につけておかなければなりません。たとえば「税金のしくみ」「相続と贈与をどうするか」「不動産の活用方法」「教育資金の捻出方法」などなど。


これらは「守る力」に該当すると思うのですが、勉強しないと身につかないジャンルです。
多くの人が敬遠したい分野ですよね。

この「お金の大学」では「守る力」と「使う力」に関してはたった9ページしか割いていません。



このバランスが巧妙ですね。



この「守る力」と「使う力」の2つは魅力的なトピックではないんですよね。
体得するのに時間と手間がかかるからです。

たとえば「守る力」というのはある程度FP(ファイナンシャルプランナー)の勉強や体験が有効です。
また、本当に資産を守ったりお金を有効に使うためには「失敗体験」が一番有効です。
投資を失敗したり、不要なものを購入したりして自分で猛反省することによって貴重な気づきを得られます。
これこそがお金を守る力の源泉となるのです。

ただ、多くの人は「失敗したくない」「勉強したくない……。」と思っていることでしょう。
だからこそ本書では、手っ取り早い「節約術」と「貯金術」「投資術」に焦点を絞っているのかもしれません。

実際、本書で特に注力して紹介しているのが、

  • 固定費の見直しとして、通信費、光熱費、保険、家、車、税金などの見直しを図る方法
  • お金を増やす方法として、株式投資や不動産投資というオーソドックスな方法

ですしね。


つまり、

ターゲット読者を熟知していますね




アーリーリタイアしたいという欲望

今や「経済的自由」というのはマジックワードです。

この本には消費と浪費を厳密にわけ、「経済的自由になりたいなら浪費は避けるべき」と解きます。
必要なもの(消費)と欲しいもの(浪費)を一緒にしていると経済的自由が遠のいてしまうで、と。

うまくバズワードを利用して、大衆欲望を刺激しています。



そして、ストーリーもうまい。
本書ではすべての浪費がだめなわけではなく、「買う順番を考える」ことを提唱しています。
つまり、収入を増やしてお金に働いてもらう仕組みを作ってから徐々に浪費をしていくという考え方を推奨しているのです。

タネ銭をためて、自分のビジネスを持ったり投資商品で収入を得てアーリーリタイアしましょうという流れですね。


FIREが喧伝されているトレンドに沿った内容なので、多くの人が魅力的に感じるはず。

本当に勉強すべきは「使い方」「稼ぎ方」「守り方」

本書は、お金についてこれから考えたいという人にはぴったりの入門書です。
お金の全体像を掴むことができます。

ただ、もちろん読む必要のない人もいます。
ある程度のファイナンシャルリテラシーを持った人は入門書を読む必要はないと思いましたが、私は「ベストセラー本とはこうやって書くのか!」と新しい発見を得ました。

ただ、個人的な見解としては、お金は「使う」「稼ぐ」「守る」が重要だと思います。
これらを体得するには知識が必要ですし、本当に勉強するべきはこの3つの力です。

さらに余談ですが、私はお金の本質を知りたいと思っていろいろ思考を巡らせています。


今や仮想通貨やいろいろな金融商品がありますので、「お金」を選ぶ時代になっているのではないか、と。
原価10円ほどの円紙幣に共同幻想を抱くのではなく、何を信じるべきかを問うべき時代なのではないか、と。




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この記事を書いたのは私です

ケンタ
ケンタ
1級ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士。
【経歴】1977年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、多種の業界で管理部門をほぼ経験しました!(IT、経理、経営企画、財務、人事、マーケティング)
【得意分野】人生設計やプラン作成、分かりやすく説明したいです。
【趣味】カフェめぐり(日本全国のスタバ旅など)グルメ、ストイックな勉強。

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