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いざというときのために知っておきたい「求職者支援訓練」というセーフティネット


失業保険(基本手当)をもらいながら職業訓練校に通いたかったけど、基本手当の受給期間が終わってしまった……


 

その場合は「求職者支援訓練」を検討したらいかがでしょうか?

 

 

前回の記事で「職業訓練校の申込みの前に支給残日数をチェックしなければならない」というお話をしました。


参考記事:職業訓練校を選ぶ前に必ず「支給残日数」だけはチェックしよう!

 

 

もし支給残日数が足りずに手当をもらえなかったとしてもあきらめてはいけません。
求職者支援訓練」というチャンスがあります。

 

また、前職で雇用保険の加入期間が短かったり、なんらかの理由で雇用保険の被保険者になれなかった場合も「求職者支援訓練」の対象となるので、ぜひ活用を考えましょう。

 

そもそも「求職者支援訓練」とはなにか?

 

まずは「求職者支援訓練」とはなんなのかを簡単に説明します。

ハローワークが提供する職業訓練は大きく2つに分けられます。
「離職者等再就職訓練」「求職者支援訓練」です。

 

両者のちがいをざっくり言うと……

 

  • 「離職者等再就職訓練」は、おもに失業給付(基本手当)の受給資格をもっている方が対象
  • 「求職者支援訓練」は、主に基本手当の受給資格をもっていない方が対象。
    (ただし、ハローワークに求職申込みをしていることが要件になります)

 

もう一つのちがいは……

 

  • 「離職者等再就職訓練」は会社を辞める前の在職中であっても申込みできる。
  • 「求職者支援訓練」は在職中は申込みできません。

 

したがって、離職後で失業給付(基本手当)がもらえない場合に検討するべきは「求職者支援訓練」です。

そして求職者支援訓練の最大のメリットは、ある一定の要件を満たすと「月10万円」の職業訓練受講手当が支給されることです。そのうえ、10万円の受講手当以外にも通所手当(交通費)や寄宿手当(家族と別居し寄宿する場合)が支給されます。

 

 

しかし、月10万円で生活できるかどうか……
貯蓄がなかったらギリギリアウトですね。

 

 

ただし、受講手当を受給するためには高いハードルを超えなければなりません。

 

10万円の受講手当をもらうための要件とは?

「求職者支援訓練」を受けるには2段階の要件があります。

まずは訓練の対象者となる4つの要件をクリアしているか確認しましょう。

  • ハローワークに求職申込みをしていること
  • 雇用保険被保険者(在職中)でないこと
  • 労働の意思および能力を有していること
  • 1年以内に公的職業訓練を受講していないこと

 

これは概ね大丈夫だと思うのですが、問題は次の「職業訓練受講手当」の支給要件です。
以下の7つの要件となります。

 

  • 本人の収入が月8万円以下であること
  • 世帯収入が月25万円以下であること
  • 世帯の金融資産が300万円以下であること
  • 現に居住している土地建物以外に、土地建物を所有していないこと
  • 支給単位期間の全ての求職者支援訓練等を受講していること
    (止むを得ない理由による欠席がある場合には、受講日数が8割以上であること)
  • 世帯の中に現に職業訓練受講給付金を受給して訓練を受けている者がいないこと
  • 過去3年以内に失業給付などの不正受給をしていないこと

 

これを見る限りでは「世帯収入」と「金融資産」がかなり制限されていますね。
あと、訓練期間中すべての訓練に出席しなければならないのも厳しい。

 

 

ちなみに、個人的に最大のハードルとなるのが「世帯資産300万円以上」でした。一応、300万円以上はあるので受講手当はあきらめざるを得ないですね。

 

 

「求職者支援訓練」にはどんなコースがあるのか?

 

 

「求職者支援訓練」は「離職者等再就職訓練」よりもコースが少ないのでは?

 

 

そうですよね。かつては「職業訓練校」は「離職者等再就職訓練」がメインだったのでコース数に違いがありました。

ただ最近「求職者支援訓練」のパンフレットを見る限り、コースがかなり充実しているように思われます。

 

ハローワーク設置してある求職者支援訓練のパンフレット
ハローワークにある求職者支援訓練のパンフレットから)

 

どうでもいいけど、うしろの金網が気になる。
どこで写真とったねん?

 

たとえば手元にあるパンフレットによると以下のようなコースがありました。

 

  • 「基本から学ぶオフィス事務・パソコンスキル養成科」
  • 「Javaプログラミング実践科」
  • 「基礎から学ぶOA事務養成科」
  • 「実務で使えるパソコン科」
  • 「経理人事労務パソコンスキル習得科」
  • 「ウェブIT実務科」
  • 「ウェブデザイナー養成科」

 

このパンフレットでは事務職がメインでしたが、魅力的な講座が多いですね。
私がもし要件をクリアしていれば、迷わず「ウェブデザイナー養成科」コースを選んでガッツリ勉強しますね。

 

 

あれ?「求職者支援訓練」は無料で受講できるんですよね。
「ウェブデザイナー養成科」は受講手当がもらえなくてもいいから受けたいかも……

 

 

ちなみに、これからキャリアを築きたいかたはなるべく普遍的なコースを選ぶのがいいかもしれません。「簿記」や「ITの原理的なコース」など耐用年数が長いスキルがおすすめ!

【参考記事】40代が職業訓練校に通いたい場合、おすすめのコースは「簿記」か「IT」

 

まとめ:もしもの場合は「求職者支援訓練」も選択肢のひとつ

今回は「職業訓練校」の応用編として「求職者支援訓練」をご紹介しました。いますぐ必要ではなくとも、このような制度があると知っておくだけで安心材料になりますね。

もし、雇用保険(基本手当)を受給できない場合、要件をチェックしたうえで「求職者支援訓練」を活用してスキルを磨くのもひとつの手ですよ。

 

 

この記事を書いたのは私です

ケンタ
ケンタ
1級ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士。
【経歴】1977年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、多種の業界で管理部門をほぼ経験しました!(IT、経理、経営企画、財務、人事、マーケティング)
【得意分野】人生設計やプラン作成、分かりやすく説明したいです。
【趣味】カフェめぐり(日本全国のスタバ旅など)グルメ、ストイックな勉強。