失業保険(基本手当)をもらいながら職業訓練校に通いたかったけど、基本手当の受給期間が終わってしまった……
その場合は「求職者支援訓練」を検討したらいかがでしょうか?
前回の記事で「職業訓練校の申込みの前に支給残日数をチェックしなければならない」というお話をしました。
参考記事:職業訓練校を選ぶ前に必ず「支給残日数」だけはチェックしよう!
もし支給残日数が足りずに手当をもらえなかったとしてもあきらめてはいけません。
「求職者支援訓練」というチャンスがあります。
また、前職で雇用保険の加入期間が短かったり、なんらかの理由で雇用保険の被保険者になれなかった場合も「求職者支援訓練」の対象となるので、ぜひ活用を考えましょう。
まずは「求職者支援訓練」とはなんなのかを簡単に説明します。
ハローワークが提供する職業訓練は大きく2つに分けられます。
「離職者等再就職訓練」と「求職者支援訓練」です。
両者のちがいをざっくり言うと……
もう一つのちがいは……
したがって、離職後で失業給付(基本手当)がもらえない場合に検討するべきは「求職者支援訓練」です。
そして求職者支援訓練の最大のメリットは、ある一定の要件を満たすと「月10万円」の職業訓練受講手当が支給されることです。そのうえ、10万円の受講手当以外にも通所手当(交通費)や寄宿手当(家族と別居し寄宿する場合)が支給されます。
しかし、月10万円で生活できるかどうか……
貯蓄がなかったらギリギリアウトですね。
ただし、受講手当を受給するためには高いハードルを超えなければなりません。
「求職者支援訓練」を受けるには2段階の要件があります。
まずは訓練の対象者となる4つの要件をクリアしているか確認しましょう。
これは概ね大丈夫だと思うのですが、問題は次の「職業訓練受講手当」の支給要件です。
以下の7つの要件となります。
これを見る限りでは「世帯収入」と「金融資産」がかなり制限されていますね。
あと、訓練期間中すべての訓練に出席しなければならないのも厳しい。
ちなみに、個人的に最大のハードルとなるのが「世帯資産300万円以上」でした。一応、300万円以上はあるので受講手当はあきらめざるを得ないですね。
「求職者支援訓練」は「離職者等再就職訓練」よりもコースが少ないのでは?
そうですよね。かつては「職業訓練校」は「離職者等再就職訓練」がメインだったのでコース数に違いがありました。
ただ最近「求職者支援訓練」のパンフレットを見る限り、コースがかなり充実しているように思われます。
どうでもいいけど、うしろの金網が気になる。
どこで写真とったねん?
たとえば手元にあるパンフレットによると以下のようなコースがありました。
このパンフレットでは事務職がメインでしたが、魅力的な講座が多いですね。
私がもし要件をクリアしていれば、迷わず「ウェブデザイナー養成科」コースを選んでガッツリ勉強しますね。
あれ?「求職者支援訓練」は無料で受講できるんですよね。
「ウェブデザイナー養成科」は受講手当がもらえなくてもいいから受けたいかも……
ちなみに、これからキャリアを築きたいかたはなるべく普遍的なコースを選ぶのがいいかもしれません。「簿記」や「ITの原理的なコース」など耐用年数が長いスキルがおすすめ!
【参考記事】40代が職業訓練校に通いたい場合、おすすめのコースは「簿記」か「IT」
今回は「職業訓練校」の応用編として「求職者支援訓練」をご紹介しました。いますぐ必要ではなくとも、このような制度があると知っておくだけで安心材料になりますね。
もし、雇用保険(基本手当)を受給できない場合、要件をチェックしたうえで「求職者支援訓練」を活用してスキルを磨くのもひとつの手ですよ。