もう東京もつらくなってきたし、Uターンしようかな。
地元で転職活動したいけど交通費がかさむしな……
地元では就職先があまりないな……
もういっそのこと東京で仕事を探そうかな。
こういう方に絶対利用してほしいのが「広域求職活動費」という制度です。
しかし、ハローワークでは積極的にPRしていないため、この制度を知っているかたが少ないのが現状です。
失業者のバイブルである「受給資格者のしおり」をみても「再就職手当」は7ページも紙面をとっているのに対して「広域求職活動費」はたった6行……。
そりゃ知られないですよね。
今回はこの制度について体験をふまえてご紹介します。
詳しく説明していると5000字を超える大作となったので、2部構成にしました!
今回はざっくり広域求職活動費についての全体像を記して、次回では具体的な申請方法や支給金額や将来の展望などを述べますね!
遠方での就職活動では交通費や宿泊費など、とにかくお金がかかります。
「広域求職活動費」とはその交通費や宿泊費をハローワークがサポートしてくれるという非常にありがたい制度なのです。
私もUターンを考えていたときに2度「広域求職活動費」を利用しました。
金銭的にとても助かりましたよ!
「故郷に戻って就職活動をする」場合でも「地方移住を考えている」場合でも条件を満たせば、広域求職活動費を申請できます。
コロナ禍で移住が取り上げられている昨今、田舎で就職先を見つける場合でも使えます。
ぜひこの制度を熟知しておきましょう。
まずは広域求職活動費の条件をみてみましょう。
ハローワークの案内文によると以下のように規定されています。(平成30年1月改正)
「広域求職活動費」は以下の条件を満たした場合に支給されます。1 雇用保険の受給資格者であること
※ 広域求職活動の指示を受ける時点で、受給資格者であれば、広域求職活動を開始する時点で、受給資格者でなくても対象となります。
2 ハローワークに紹介された求人が、その受給資格者の方に適当と認められる管轄区域外に所在する事業所のもので、その事業所の常用求人であること3 雇用保険の受給手続を行っているハローワークから、訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの間の距離(往復)が、交通費計算の基礎となる鉄道等の距離 で200キロメートル以上あること
4 雇用保険の待期期間が経過した後に、広域求職活動を開始したこと
5 広域求職活動に要する費用が、訪問先の求人事業所の事業主から支給されないこと、またはその支給額が広域求職活動費の額に満たないこと
(「広域求職活動費と移転日のご案内」より)
これをそのまま理解しようとすると難しいので、実際に受給した経験から説明しなおします。
補足したい点として5つあります。
エージェントから紹介された求人でも広域求職活動費はもらえるの?
いや、残念ながらハローワークの案件だけが対象なのですよ……
まず大前提となるのが、「ハローワークで紹介された案件だけが対象となる」ということです。
インターネットで見つけた会社やエージェントから紹介してもらった会社を訪問する際には基本的には支給されないということです。
自分でサーチした案件が対象外となるので、残念ながら求人案件は限定されることになります。
誤解されることがあるのですが、「広域求職活動費」は実費で精算されるシステムになっていません。
じつは距離に比例するという仕組みになっているのです。
え、じゃあ安いチケットを買ったらトクするじゃないか!
現行ではそうなりますね。
実際には管轄のハローワークから就活先の最寄りのハローワークまでの距離で計算されます。
計算方法については「通常の経路および方法で計算」とあり、私の事例から考えると新幹線代に近い金額でした。
もし基準となる運賃よりも安く移動できれば、その分だけ得することになります。
さきほど距離で計算されるとありますが、じつは400kmを超えると宿泊費も支給されます。つまりこのようになります。
そもそも「200km」とか「400km」ってどれくらいの距離?
東京から200km以上だと東で静岡の焼津近辺、北で郡山近辺になります。
400kmだと東で岐阜の大垣近辺、北で宮城県の古河近辺になります。
これを一応の目安として就活の計画を立ててみてください。
ちなみに私は2回とも兵庫県に移動したため、交通費と宿泊費を受給しました。
飛行機で移動する場合の交通費はどうなるの?
これも気になるところですよね。
私も気になったので、職員さんに相談したところ次のような回答がありました。
飛行機の場合は実費で精算します。
その場合、飛行機で移動したと証明できる領収書も合わせて提出してください。
これは盲点でした!
飛行機移動のほうが一般的にコストが高いですし、遠方移動を考えると体への負担が少ないですので、実費精算は大変助かりますよね。
ハローワーク様、ありがとうございます。
私の管轄のハローワークだけがそのような運用をしているわけではないと思いますが、念のため各自のハローワークで確認してみてくださいね。
そうです。
このような重要事項は決して「受給資格者のしおり」にも冊子にも書かれていないので、各自で確認しましょう。
以前も書いたように、今後の失業戦略においては「ハローワークとのコミュニケーション能力」が重要になるのです。
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条件の中で、もっとも解釈でむずかしいのが「常用求人」という言葉の定義です。
「常用求人」とは一般的には「雇用期間に定めのない求人」のことを指しますので「正社員」はもちろん含まれます。
しかし、問題は「非正規社員」。
「非正規社員」に応募する場合は、「雇用条件」をみて判断するようです。
私がハローワークで遠方の非正規求人を受けたいと相談したとき、窓口の職員さんからはこう言われました。
非正規社員の場合は「更新するかしないか」「契約期間」などから判断のうえ、条件に合致するかを検討します。
厚労省では「常用求人」を「1年以上雇用されることが確実である求人」という定義(「1年ルール」)を適用する可能性もあるので、案件ごとに審査していることが考えられます。
このあたりは個別ケースで決定されるので、やはり職員さんにうまく説明する必要がありますね。
Google検索してもらうとわかるのですが、この制度についての情報がかなり少ないのです。
ハローワークからの情報もかなり手薄ですし、実体験の情報もほとんど見かけません。
そこで!
次回は私が実際に申請した流れや支給金額について触れたいと思います。
ただし、具体的な支給金額まではお知らせできないことをあらかじめご承知おきください!
⬇️ 続きの記事はこちらです!