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「あの男の正体」で失敗の瞬間をとことん味わう重要性を学ぶ

今日は「あの男の正体(ハラワタ)」という企業小説をご紹介します!

あの男の正体」の著者牛島信さんは「株主総会」や「株主代表訴訟」などの企業経営についての作品が多いです。

今回はその中でも「社長とは会社にとってどんな存在なのか?」そして「失敗したときの身の振り方」について改めて考えさせられました。 


社長の一番大事な仕事とは?

この小説では、主人公の社長を一貫して「あの男」と呼んでいます。

「社長の役割」について述べられた部分が印象的でした。

「冗談じゃない。社長の一番大事な仕事は、物ごとを決めるってことだ。時間なんか要らん。腹をくくる。そいつができればいい。トップが自分のうちなる孤独な魂を我が手の平で思いっきり引っぱたく。そうやって断固として決めさえすれば、あとは組織ってものが、蟻の大群よろしく寄ってたかって実現する。それが会社だ。組織ってのはそういうものだ。」

「あの男の正体」

社長になるためには決断力と実行力が必要とは思っています。
そして、今まさに私に足りないのが まさしく「決断力」なのです。

これから開業する身としては致命的ですので、決断力をどう磨くかというのが今後の課題ですね。

ほとんどの会社員はバッターボックスに立たない。


この小説では、「あの男」が社内ベンチャープロジェクトを立案します。
その社内ベンチャーの「社長」になる機会を従業員に与えるのです。


「あの男」は自社の従業員についてこう述べます。

でも、あいつらのほとんどは、実は30年の間に一度も一点差で負けてる9回の裏にバッターボックスに立った、なんてことはありゃしない。
満塁で、しかもツーストライクスリーボールって場面でピッチャーの顔を睨みつける、そんな場面のヒーローになったことなんかないんだ。不完全燃焼のままってことだ。これで俺は終わるのか、助けてくれって、声を上げずに、でも力のかぎりそう叫んでいる。僕には、その声が聞こえる。

「あの男の正体」

 

どの会社にも「私は30年間この会社に勤続しているんだ」と勤続年数だけで威張り散らしている人がいることでしょう。

確かにその長期勤続は素晴らしいと思います。

でも、いざと言うとき、その方はどれだけのパフォーマンスを発揮できるでしょうか?

僕が見てきたほとんどの会社員は、勤続年数が長ければ長いほど「歪なプライド」が生じてしまい、更には「新しい芽」を食いつぶそうとします。
出る杭を打ちたい人がかなり多いのです。
(一応フォローしておきますが、全員が全員そういう人ではありません。)

彼らはこのようなフレーズを言う傾向にあります。

これだけ長い期間、会社に貢献してきたんだ。
会社からはたんまりと退職金をもらわないと!


ところが、概してそういう人の経験値って会社から一歩出ると低いんです。
なぜなら、圧倒的に「挑戦の数」が少なすぎるからです。
ほとんどのサラリーマンは、ピンチヒッターとしてバッターボックスに立った経験が少なく、もっと言うと「打席」にすら入らない人が多いのです。

かく言う私もそうでした。
私もバッターボックスにすら入るのが怖いという臆病者なのです。

 

一番貴重な経験は「失敗の瞬間」をとことん味わうこと。

この小説を読んで、一番印象に残った部分があります。
「番外プロジェクト」という社内ベンチャーに失敗してしまった社員に対する「あの男」の言葉です。

「それが一番の薬さ。この瞬間をとことん味わうのが、最良の薬だ。人は火傷でしか学ばない。

他人事ならうまく処理できる。それが自分のこととなるともういけない。そんなものなんだよな、人間ってのは。

だから、俺も場合によっては弁護士に頼る。大木(弁護士)だってわかるものか。涼しい顔をして弁護士をやっているが、自分の揉め事になったら地に足が着かないってことになるんじゃないか」

「あの男の正体」

 なにか大きな失敗をしてしまった時こそがじつは大きなチャンスです。
その瞬間を味わうことによって、自分の糧となると思うと失敗への恐怖心も少しは和らぎますね。

もし皆さんがこの先、大きな失敗をしてしまったら、次のように考えてみてはどうでしょうか。

 

その失敗が、9回裏ツーアウトフルカウントで打席に立った結果だとしたら、胸を張って「失敗してしまったわ!」と誇りをもってください。

●そして、もし大失敗しても、その敗北感をとことん味わってください。
そこから次につなげる過程こそが、人を成長させるのです

失敗したらその瞬間をとことん味わう。
これこそが人生のスタートを喚起させるはずです。


この記事を書いたのは私です

ケンタ
ケンタ
1級ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士。
【経歴】1977年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、多種の業界で管理部門をほぼ経験しました!(IT、経理、経営企画、財務、人事、マーケティング)
【得意分野】人生設計やプラン作成、分かりやすく説明したいです。
【趣味】カフェめぐり(日本全国のスタバ旅など)グルメ、ストイックな勉強。