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宅建士合格のための最強作図 裏メソッド12: 権利関係テキスト【基礎編】
略して「宅建作図」です。
この中でも描きたかったトピックの1つが「物権変動」です。
私は「物権変動」がめちゃ苦手でした。
法律初学者にとって物権変動はわけがわからんかったです。
そんな複雑なトピックでも作図のコツをつかめばわかりやすくなります。
今回は「物権変動」の1つ「解除前の第三者」を図解します。
物権変動のコツは「第三者の出現タイミング」と「善意無過失」の2つです。
すなわち、「第三者が行為前に出現したか?行為後に出現したか?」「第三者が善意無過失かどうか?」です。
下表にまとめましたので、これをもとに学習していきましょう。
【表1】物権変動の表
行為の種類 | 行為前の第三者 | 行為後の第三者 |
---|---|---|
取消 | 保護されない。 ただし、錯誤や詐欺の場合、善意無過失の第三者は保護される。 | 対抗関係となる。 |
時効完成 | 保護されない | |
解除 | 保護されない。ただし登記を備えていたら保護される。 |
「第三者の出現タイミング」については、行為の前後にわけます。
「行為後の第三者」は対抗関係となり、登記の早い者勝ちとなります。
これはそれほど難しくないですが、問題は「行為前の第三者」です。
原則として「行為前の第三者は保護されない」と覚えておきましょう。
その上で、【表1】のただし書きにある「取消の善意無過失」と「解除の登記」がポイントとなります。
法律の勉強は「原則」と「例外」をキッチリおさえることが重要。
ちなみに試験では「例外」のほうがよくでます。
それでは実際に宅建作図に挑戦です。
Kindle書籍「宅建作図(基礎編)」では12の作図ルールをご紹介しており、今回は以下のルールを利用しています。
それをふまえて、つぎの(基本文)を作図してみましょう。
(基本文)
AがBにA所有の土地を売却し、BがCに売却しました。
その後、AはBとの売買契約を解除しました。
登場人物はA、B、Cの3人ですね。
そして、物権変動は「誰が誰に何を売った」という事実と「いつ何をした」という時系列に注意です。
私はこのように書きました。
【図1】物権変動の基本
この【図1】をベースにして以下で対抗要件を確認していきます。
次の(パターン1)を図で書いてみましょう。
(パターン1)
AがBにA所有の土地を売却し、BがCに売却し、Cは移転登記をしました。
その後、AはBとの売買契約を解除しました。
私は【図2】のように書きました。
【図2】解除前の第三者(登記あり)
【図2】をみてください。
③でCが登記をし、(「ト」が登記を示します)④はAが売買契約を解除していることを表しています。
契約を解除すると、契約する前の状態に戻す義務(原状回復義務)が生じます。
ただし、原状回復を理由に第三者の権利を害することはできません。
第三者が登記をしていた場合、本人AはCに対抗することはできないのです。つまりCが勝ちます。
【図2】ではCが勝つことを吹き出しをつかって「Win」と表記しています。
最後に以下の(パターン2)を図で書いてみましょう。
(パターン2)
AがBにA所有の土地を売却し、BがCに売却しました。
その後、Cが登記する前にAはBとの売買契約を解除しました。
私は【図3】のように書きました。
未登記の表現が難しい!
【図3】解除前の第三者(登記なし)
もし、第三者Cが登記をしていなければ、AはCに対抗することができますので、【図3】のようにAが勝ちます。
つまり、解除については第三者の対抗要件は「登記一択」なのです。
(解除後の第三者も結局登記早いモノ勝ちなので登記が必要)
ちなみに作図のポイントとして、未登記は「△」で表現しています。(図3の③)
その理由も「宅建作図(基礎編)」に述べていますが、「×」 や「未登記の「未」などの他の表記ではわかりにくかったからです。
Kindleの電子書籍「応用編」では物権変動の他のパターン(「取消」と「時効」)を解説しております。
たとえば「取消前」と「時効前」の第三者は以下のような図になります。
【図4】 取消前の第三者(原則)
【図5】時効前の第三者(原則)
まとめるとこのような感じです。
図で整理しておくと問題に対応しやすいので、時間があるうちに作図のトレーニングをおすすめします!
宅建士に合格するために、いまから図をかきまくりましょう!
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