もう40代なのに会社をやめてしまった……
この年齢では転職も厳しいし、何か新しいスキルを身につけようかな。
いいと思います!もし方向性が決まっていれば「職業訓練校」で気になるコースを受講してみてはいかがでしょうか?方向性がわからなければ、とりあえず「簿記」か「IT」をおすすめします!
以前の記事で「失業したら職業訓練校の入校もいいかも」とおすすめしました。
今回は「どのコースを選べばいいか?」という問題を一緒に考えてみましょう。
今回はとくに40歳代のかた向けに書きました。
あくまでも私見ですので、「こんな意見もあるんだ!」と参考程度にとどめてくださいね。
まず、職業訓練校の現実をお話します。
私が最初に職業訓練校に入校したのは15年前になりますので、今と比較するとまだ競争率は高くありませんでした。
書類選考や面接もありましたが、合格率は90%くらいだったかと記憶しています。
しかし、現在の「職業訓練校」の競争率は激化しているようです。
もちろんコースによってばらつきがあります。
人気のコースは希望者が殺到しているようです。
実際、私が入校しようとおもった職業訓練校のスクールに見学予約したら満席でした。いまは見学もできないほどポピュラーなのですね……
そのため、職業訓練校に入校するためにはまずは選考に合格しなければなりません。
どうすれば合格できるの?
そうですよね。
絶対に合格できるという保証はありませんが、可能性を高めるためにはこれにつきます。
厚労省やハローワークの最大の狙いは「職業訓練校を通じて失業率を下げる」ということです。
また、授業を委託されている実施施設からしても「就職率を上がった」という実績を作らなければ、次の委託契約にも影響がでるかもしれません。
このため、職業訓練校というサービス提供者としては「職業訓練校に通った結果として就職が決まった」という事実を作らなければならないのです。
就職が決まらなそうな人は職業訓練校の選考にすら合格できないのか……
逆にいうと、自分の経験職種に近いコースを選ぶと選考サイドとしては「お、こいつの経験からいくと就職が決まりそうだ」との期待から合格可能性が高まるとおもわれます。
職業訓練校に合格するために就活力が必要、ってすごいパラドックスですね。
一般論から話すと、40代からのキャリアチェンジはかなり難しいです。
雇用主からは「即戦力&マネジメント能力」を求められますので、すでに経験している職種でさえ高い水準が要求されます。
ましてや未経験は厳しいですよね。
私も40代から「不動産関係」の業種に業界チェンジしようとしましたが、この「年齢」と「未経験」ではなかなか採用が決まりませんでした。
だから、もしこれから先も「勤め人」として働くのであれば、先述したように「職業訓練校」では経験職種を選ぶべきです。
ただ、前回の記事でもお話したように「いろいろな可能性を探りたい」という方は職業訓練校をうまく活用するといいと思います。
経済的、時間的、精神的な安定を保ちながら職業訓練校に通ってこれからの人生を考えるもよし。
職業訓練校で自分の興味のある分野を開拓するもよし。
もちろん、人気のあるコースは合格率が低いかもしれませんが、それでもトライしてみていいでしょう。
職業訓練校に入りたいけど、やりたいことが全然ないのです。
ハローワークに置いてある職業訓練校のパンフレットを見てみると、おおかた「事務(経理や総務などのバックオフィス系)」「IT」「介護」「技術(溶接や設備管理など)」の4つに分類されると思います。
いったんこれまでの議論を度外視してみて考えると、方向性が決まっていない場合の個人的なおすすめは「簿記」と「IT」です。
キャリアについては別記事を書こうと思いますが、とにかく現代ビジネスの3種の神器である「英語」「IT」「会計」は必須スキルです。その中でも座学で短期間で習得しやすいのが「IT」と「会計」だと思うので、職業訓練校でもこれらを選ぶと後々に役立つと思いますよ。
ITについてはできればOffice製品の使い方ではなく、ITの基礎から学べるコースがいいですね。職業訓練校で「Excel」「Word」などのアプリケーションを学ぶより根源的なことを学んだほうが役立ちます。
最近ではサイト制作やプログラミングなどのコースもあるのでそちらのほうがおすすめです。
私がこれから職業訓練校に通うのであれば、間違いなくプログラミングに関するコースを選ぶでしょう。
欲を言えば、これから需要が伸びるブロックチェーンやスマートコントラクトなどの分野が充実していればいいのですが、まだそのようなコースは見当たらないのが現状ですね。
次に「簿記」です。
もし簿記検定2級を持っていなければ、ガチで簿記を勉強することをおすすめします。
なぜなら、簿記というのは普遍性が高いからです。
「複式簿記は人類の最大の発明である」という言葉があるように、簿記を学習すると人生の見方が変わります。端的にいうと商売の「取引」が可視化できるようになります。
きちんと勉強すれば「何かを得れば何かを失う」という取引の原理原則がわかるようになるのです。
たぶん何を言ってるのかわからないと思いますが、とにかく簿記は人生を変える力があるとすら思っています。
最初は「借方」「貸方」「減価償却」などの会計特有の言葉に困惑すると思います。
しかし、そのような枝葉末節はどうでもよくて、会計センスを磨くのに「簿記」はとてもいいジャンルです。
ちなみに「英語」をここで外している理由は「取り扱っているコースが少ないため」と「英語は継続学習しないと身につかないため」です。
正直いうと、英語は毎日習慣化しないと身につきません。もっと言うと習慣化しても身につきません。
それだけ言語習得というのはハードルは高いのです。
職業訓練校でさらっと学習しても長期効果は期待できないということは前もって知っておくべきだと思います。
最後にこれまでの議論を覆すようなことを言います。
私は20代と30代の2回、職業訓練校に入校した経験があります。
そこで身につけたのは「スキル」でも「知識」でも「人脈」でもありません。
むしろ、それらの要素は職業訓練校には期待するべきではないとすら思っています。「知識」や「スキル」というのは仕事や自学でも身につけることはできます。
また「LIFE SHIFT」のリンダさんを引き出すまでもなく、「職業訓練校」等で身につけた知識はすぐに陳腐化してしまう可能性が高いです。
【参考記事】
一方で、職業訓練校に「人脈」を期待するのもハードです。3〜6ヶ月間、教室でいっしょに特定分野を勉強しただけではつながりとしては弱すぎます。(もちろんつながりを持てないわけではありませんが、強固な関係を保つのは難しいです。)
では、「職業訓練校」で何を得たのか?
私はやはり今後の方針を考える時間を得られたことが一番のメリットだと思います。
上の記事で「職業訓練校は経済的、時間的、精神的なメリットがある」と述べましたが、やはり一番のメリットは時間だと思います。
身もふたもないことを言うと、40代が失業時にすべきことは「今後のセカンドキャリアをじっくり考えること」だと思います。
その目的のために職業訓練校を有効活用することを考えましょう。