前回まで失業中にアルバイトする前の基本知識をお伝えしました。
【関連記事】まずは「就職」とは何か問題。
【関連記事】次に「アルバイトしていい期間とダメな期間」をまとめました。
ざっくりとした要点は以下になります。
結局、アルバイトするときは「待機期間」以外で、「就職」に該当しなければいいんでしょ?わかった!そうするよ。
あともう一つ!失業給付を受けながらアルバイトしたいときは4時間以上のほうがいいかもしれませんね。
なんで?
基本手当の受給期間にアルバイトする場合、4つのカテゴリーに分けられます。
その際は「1日の労働時間」が基準となります。
その区分についてフローチャートにしてみました。
このように1日の労働時間が4時間以上かどうかで区分が異なってくるのです。
結論はこのとおり。
もう少しくわしくみてみましょう。
まずは、1日4時間以上バイトしたケースです。
「失業認定申告書」に4時間以上の労働をしたという申告をした場合、基本的にその日の基本手当は支給されません。
多くの人はここで「ああ損したな!」と思うでしょう。
しかし、その分の基本手当が消滅したわけではありません。
単にその受け取りのタイミングがうしろに移動しただけです。
ただし、基本手当を受給するために以下の2つの注意点があります。
1つは、「受給期間満了日を確認しましょう」。
通常は受給資格取得日から1年間で基本手当の受給期間が終わってしまうので、満了日を過ぎてしまうと先送りされてしまった分の基本手当は受け取れないことになります。
そのため、受給期間満了日には十分注意しましょう。
もう1つは、「就職に該当しないようにすること」です。
もし就職に該当すると失業手当の資格を失うことになります。
上の記事でも述べましたが、「就職」とは雇用保険に加入するかどうかが基準となります。
つまり、週に20時間未満の労働時間におさえること。
ここから次のような鉄則が導き出せます。
次に、失業給付の受給中に1日4時間未満のアルバイトをした場合をみてみましょう。
この場合は「内職または手伝い」に該当し、その収入金額によっては、失業給付が減額あるいは支給されない場合があります。
え、そうなの?
どういう場合に減額もしくは不支給となるの?
いい質問です!
この場合は計算式があって、ややこしいんですよね。
だから興味のない人はとばしてくださいね!
A:基本手当日額+収入(1日分の収入-控除額(1,312円*))
B:前職での賃金日額×0.8
●1日分のバイト収入>Bの場合、不支給
●A>Bの場合、AーBの分が減額されて支給される
●A<=Bの場合、全額支給される
(*2020年8月時点)
うん、ややこしい。
具体例をあげてください。
かしこまりました!
ひとつ事例をあげさせていただきます!
次のような事例を考えてみましょう。
これをもとにAとBの値を計算するとこうなります。
A: 5,000+(3,000-1,312円)=6,688
B: 6,000×0.8=4,800
このケースでは「A>B」となります。
AーB=1,888円が基本手当日額5,000円から減額されて支給されます。
そしてこの内職をした場合、認定期間(28日)の基本手当額は以下になります。
5,000円×(28日-1日)+(5,000円-1,888円)×1日=138,112円
これに内職分の収入を加えるとこうなります。
138,112円+3,000=141,112円
一方で、内職をしなかった場合の基本手当は以下ですね。
5,000円×28日=140,000円
基本手当の金額は1,888円も減額されていますが、総収入でみるとアルバイトをしたほうが1,112円だけ多いです。
つまり、4時間以内のバイトは当月のキャッシュインは多くなりますが、受け取る手当は減る傾向にあることがわかります。
早急にお金が必要な人以外は4時間未満のアルバイトは避けたほうがいいかも。
ちなみに、上記のAとBの関係をもう一度みてみましょう。
バイト収入が多ければ多いほど基本手当の支給額が下がることがわかります。
そしてバイト収入が前職の賃金日額の8割を上回ってしまうとついに不支給になります。
つまり、バイトで稼ぎすぎると基本手当はもらえないのです!
「前職の8割」くらいを稼いでいたらほぼ「就職」のようなものだしね。
くり返しになりますが、結論はこれです。
ただし、前回も言ったようにハローワークでは実質主義をとりますので、ケースによって対応が異なる可能性もあります。
くれぐれもハローワークにはきちんと申告をすることが超大事ですので、それもお忘れなく!