1級FP・宅建士がお届けする情報マガジン

それでもやはり従業員持株会をおすすめしない2つの理由

ときどき自分の金融資産のポートフォリオを見直していますが、
2020年3月に一つの決断をくだしました。


1年9ヶ月前に今の職場に転職して以来、「持株会」に加入して積立てて貯蓄していました。
それをもう止めます!

FPの勉強を機にライフプランを見直したのですが、やはり老後資金が圧倒的に足りませんね。
なにせ契約社員なので退職金がなく、老齢年金も将来性が見通せません。

昨年末にはリバランスするためにいったん持ち株を全て売却しました。

関連記事:持ち株をすべて売って10万円を損切りした根本的な理由

 
なんだか損切りばかりしていますが、とくに持株会はけっこう危険なのですよ。
今回はそんなお話です。
 

なぜ持株会は魅力的に見えるのか?

大きな会社には「従業員持株会」という福利厚生制度があるケースがあります。
これは、自分の勤めている会社の株式を給与から天引きして購入するという仕組み。

多くは「ドルコスト平均法」で購入できますので、購入価格を平準化することができます。

*「ドルコスト平均法」とは一定金額を購入することによって購入価格を平準化できる合理的な購入方法です。
株価が高いときには少なく、低いときには多く購入できます。

そして、この「持株会」なのですが、実は魅力がいっぱいあるんですよ。

まず、奨励金が付与されるということ。
会社によっては拠出金額の5%や10%という金額が毎月上乗せされることがあります。

つまり、毎月1万円を拠出していたとすると、1,000円(10%の場合)が自動的に拠出額に加算されるのです。臨時配当のようなものですよね。この奨励金を目当てに持株会に加入されるかたも多いと思います。

もう一つは「情報優位」に立てるということ
私たちは、よく知っているものやなじみのあるものに投資をしがちですが、実は合理的でもあります。

億万長者のマーク・キューバンは次のような教訓を授けてくれます。

よく聞いてほしい。
株式市場で勝ち続けるには
①他のほとんどの人たちよりも有利な情報を持っていなくてはならない。
②その情報に対する優れた分析力を持っていなければならない

この考え方でいくと自分の勤めている会社は内部情報を持っていますので有利な立場にいるはずです。
もちろんインサイダー取引は禁止されており売却タイミングも限られますが、企業の内部にいるので誰よりも内部事情に詳しいはずですよね。

このような「情報優位」の視点にたつと自社の株式を購入できるというのはとても魅力的です。

しかしですね、やはり穴はあるものです。

それでも持株会はやめておいたほうがいい理由

やはり持株会は危機をはらんでいます。
大きく2つのリスクがあります。

一つは「資産の集中化」によるリスク
投資の大原則として語り継がれる格言は「Don’t put all your eggs in one basket」。
日本語で言うと「すべての卵を一つのかごに盛るな」。

これは分散投資の重要性を意味しているのですが、とにかく資産は分散するのがルールです
もしすべての卵を一つのかごに入れてしまうと、そのかごを落とした場合全ての卵を失ってしまいます。

持株会の場合を考えてみましょう。
ある会社の持株会に加入するということはその会社への投資をダブルにしていることになります。つまり、「人的資本」と「金融資本」を投資しているということです。
どういうことか?
もし私がA社の持株会に加入した場合を考えましょう。
A社で働くと労働の対価として「給与」をもらえます。これはひとつの「人的資本」です。
そして、支給された給与の中から自分の会社の株式を購入しているので「金融資本」も投入していることになります。

単純にいうと、「会社」というかごに2つの資本をぶっこんでいるのですよ。
これはリスキーですよね。
会社が倒産したら「人的資本」も「金融資本」も毀損してしまいます。
 

そしてもう一つ大事なことは「奨励金につられてはいけない」ということです。
たとえば10%の奨励金をもらえるとすると、すごいお得感がありますよね。
今どき10%の運用益を狙える金融商品はそうそうないですから。
 
しかし、考えてみてください。
株式市場で10%の下落なんて頻繁に起こりえます。
2000円の株価があっという間に200円下落するなんて日常茶飯事ですよね。
ちょっと難しい言葉でいうと、奨励金はしょせん「インカムゲイン」です。
なにより売買益である「キャピタルゲイン」を見据えて投資検討しないといけないのです。
持株会に入る前に冷静になって次の問いを考えてみてください。
 
「本当に自社の株価は上昇する可能性が高いですか?」
 
持株会においては出口戦略を考えていない人が多すぎるのです。
 

持株会で損失を出すケースもあることを忘れずに

自分の会社って愛着がわくものですよね。
しかも会社サイドは安定株主が欲しいから「従業員持株会」を必死になってアピールするものです。
このように従業員はいろいろなバイアスがかかってしまい、「奨励金ももらえるし株式投資も怖いから持株会なら安心かな」と錯覚します。
 
再度言いますが、冷静になりましょう。
持株会はあくまでも株式投資です。
株価が下がればもちろん損失を出しますよ。会社は保障しませんよ!
給料から天引きされて損失出したらけっこう会社を恨むことにもなりますよ!
 
ちなみに私の場合、この姿勢がなかったです。
持株会に16ヶ月前に加入した結果、2万円ほど損失を出しました。
信じられます?自分の会社に自腹で投資したら2万円取られるって……。

持株会に入って2万円も損するって相当ダメージを受けますよね。

本業に支障でるかもしれないかたは持株会は慎重に。


☆☆☆
安定性を求める人にとって、持株会よりもおすすめなのは「確定拠出年金(DC)」です。

もし会社に確定拠出年金の制度があればそちらを優先すべきですね。

私も持株会を退会して速攻で企業型DCに加入しました。
近いうちに確定拠出年金のメリットとデメリットについてもまとめたいと思います。
 

この記事を書いたのは私です

ケンタ
ケンタ
1級ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士。
【経歴】1977年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、多種の業界で管理部門をほぼ経験しました!(IT、経理、経営企画、財務、人事、マーケティング)
【得意分野】人生設計やプラン作成、分かりやすく説明したいです。
【趣味】カフェめぐり(日本全国のスタバ旅など)グルメ、ストイックな勉強。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

fifteen − three =