確定申告の時期まっさかり!
このシーズンになるとこのような質問をよく聞きます。
「所得控除」ってなに?
そして「所得控除」と「税額控除」ってどうちがうの?
「控除」!
そう、税金の世界では「控除」が何かを知ることが大事なのです!
税金のしくみは分かりにくいですよね。
国民の3大義務の1つである「納税」ですが、なぜか義務教育でほとんど勉強しないテーマでもあります。
生きていく上で税金という問題はめっちゃ大事なのに……
ここで1つ質問です。
税金がどうやって決まるか知っていますか?
簡単な問題にみえますが、いがいに難しいですよね。
ここでなるべく簡単な図式を使って考えてみましょう。
(注)この記事での「税金」とは所得税や法人税などの「直接税」のことを指します。「直接税」とは納税者が直接政府に対して税金を払う性質の税金です。(それに対して消費税などは「間接税」といいます)
私は10年以上確定申告を経験してきました。
その結果、われわれが知るべき節税のファクターは2つだけだと思い知りました。
それは「利益」と「税率」の2つです。
まずはシンプルに理解しましょう。
「税金」というのは「利益」に「税率」をかけて計算します。
これが基本となりますので、この基本法則を絶対忘れないようにしましょう。
ここで少しそれぞれの要素を分解してみます。
ここで「利益」を掘り下げてみましょう。
「利益」を分解すると次のように表されます。
「利益」というのは、「収入(売上)」から「費用」を差し引くことで計算します。
例えば、売上が1,000円、費用が800円かかったとすると、利益は200円となります。
1,000-800=200
ですね。
そして、次にすすむまえに「控除」という概念をおさえておきましょう。
つぎに「控除」という深淵なる言葉を説明しておきます。
税金の世界では「控除」という言葉をよく聞きますが、意外と知られていない言葉のひとつ。
「控除」というのは「引く」という意味合いがありますので、このような疑問がわいてくるかもしれません。
「控除」って「費用」とどう違うの?
いい質問ですね!
こういう疑問がわいてくるのはすばらしい!
「控除」とは「差し引く」ことですので、利益を計算するときに収益から差し引く「費用」と同じグループになりそうです。
じゃあ、費用でいいやん。
そう、そうなんですが、ニュアンスが微妙に異なるのです。
両者のちがいについてざっくりしたイメージを述べると……
厳密ではないですがざっくりとこんなかんじでしょうか。
いずれにせよ、両方とも利益計算のときに収入から差し引くことができる性質を持っているのです。
そして、この「控除」は税金の世界では絶対にマスターするべき概念です。
以上を前提として、税金を分解してみましょう!
「税金」は「利益」に「税率」をかけることで求められますよね。
そして「利益」は、「収入」から「費用」と「控除」を差し引くことで求めることができます。
この2つ目の式を1つ目の式に代入してみましょう!
するとこうなります。
ここまで分解することで、やっと節税の入口に立つことができるのです。
ここで1つ問題です。
1分で考えてみてください。
正解はこうですね。
つまり、「収入」と「税率」を減らして、「費用」と「控除」を増やすのです!
これが節税の基本中の基本となります。
もちろん具体的な方法論はもっとあるのですが、まずはこの鉄則を頭に叩き込むことが大事。
今回は、確定申告の前におさえるべき基本の考え方を書きました。
この基本を押さえながら、我々がやるべきことは「コントロールできる分野に集中する」と言うことです。
より具体的に言うと「控除」をマスターすること。
世の中を見ると、あまりにも「控除」と言う概念になじみのない方が多すぎます。
まずは税金の世界にはどのような「控除」があるかを学習していきましょう!
「控除を制するものは節税を制する」といっても過言ではありません。
「今年の確定申告に間に合わなかった」という人も来年にむけて「控除」を理解しておきましょう!
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