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「永遠の旅行者」はこれからPTになるための入門書。まずは5つの国を探そう。

今回は「永遠の旅行者」という小説をご紹介します!

「PT(Permanent Traveller)」とは何か?

数年前に東南アジアを旅行したとき、内資の現地法人で働いている友人と食事をしました。
そのときにふとこう聞かれました。

ところでPTって知ってる?

PT?
ひょっとしてPermanent Travellerのことですか?

すると、その友人は「ああ、やっぱり知っていたか」と微笑みました。

私は5年前に橘玲さんの「永遠の旅行者」という小説を読んでいたので、たまたまこの単語を知っていたのですが、外国で働いている日本人にとってこの「PT」という概念は普及しているようです。

PTとは一体なんでしょうか?
「海外投資を楽しむ会」というサイトから引用してみましょう。

日本でただ一人の「PT研究家」でファイナンシャルプランナーの木村昭二氏は、『税金を払わない終身旅行者—究極のPT節税法』(総合法令)でPTを次のように簡潔に定義しています。

ある国の居住者になれば当然にその居住国で納税の義務が発生するので、合法的に納税義務が発生しないように6カ月や1年毎に居住を変えて税務上、どこの国の『居住者』にも属さない『終身旅行者』になるということ」

要するに、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパなどに複数の住居を持ち、ときどき日本に里帰りしながら、「滞在日が税務上、その国の『居住者』になり高額な納税義務が生じそうになったならば、合法的に別の国に移り住み、またそこで滞在日数がその国の税務上『居住者』になりそうになったら、またまた合法的に別の国に引越しをする」ライフ・スタイルを言います。

参考)AIC:海外投資を楽しむ会:Our Opinions:人生設計:PTという人生

「PT」を一言で説明すると、「税金を払わないようにするために住む場所を転々とする」ことです。

日本の「居住者」として認定されると、所得税などの税金を納税する義務が発生します。
そこで、1年間は外国に住んだりして日本の「居住者」であることを回避しようとするのです。

そして、実際に居住している外国では納税義務が発生する前にまた別の国に引っ越します。
すると、合法的に「永遠に」税金を払わなくていいというスキームが完成するのです。

日本の相続税が残酷である理由

さて、ここでいう「税金」とは所得税だけではありません。
その他の税金として「相続税」が挙げられますが、この相続税という性質がかなり残酷なのです。

その意味を「永遠の旅行者」から抜粋して考えましょう。

すべての税金を支払ったあと、10億円の財産を持っている男がいるとする。この金をどのように使おうが、彼の自由だ。

この男が酒池肉林の生活を続け、10億円を散財してしまえば、税金(相続税)はかからない。
それに対し、自分の子どもに財産を残そうとすると最大で50%の相続税を課せられる。
国家は国民に放蕩を勧め、家族を愛することを罰しているのである。

「永遠の旅行者」より

お金は墓場まで持っていけないとよく言われます。
もし死後にお金が残っていたら一定の税率で日本国に「相続税」というカタチで支払わなければなりません。

一方、自分の財産を死ぬまでに使い切れば、相続税はゼロになります。
橘さんの言葉を借りると、「国家は国民に放蕩を勧め、家族を愛することを罰している」のです。

つまり、国家は家族のために蓄財することを許さないのです。
家族を愛するためにわれわれは相続税を熟知しなければなりません。

PTになりたい人は5つの国を探そう。

「永遠の旅行者」では具体的に「PT」の候補地を挙げています。
もし日本で資産が十分にある人は次の部分を読んで、5つの候補地を探してみましょう。

30代後半の桜木(弁護士)の夢は、45才までに3億円の資産をつくってアーリー・リタイヤメントを実現し、PTの個人投資家となることだった。

PTの概念を世に広めたW・G・ヒル博士は「5つのフラッグ理論」を唱えた。
それによればPTは(1)国籍を持つ国(2)ビジネスを営む国(3)居宅を持つ国(4)資産運用を行う国(5)余暇を過ごす国の5つの異なる国に自らのフラッグを立てるべきだとされる。

桜木は暇さえあれば海外に出かけていき、フラッグを立てる場所を探していた。
桜木の最新の調査では、国籍は日本、ビジネスは香港か上海、居宅はオーストラリア、資産運用はスイス、余暇は世界中を旅行すること、というのが理想らしい。

「永遠の旅行者」より

3億円も資産があれば、やはり「いかに国から税金をとられないか」がテーマになってくるでしょう。
そこで、PTという生き方が経済合理的となってくるわけです。

それにしても、日本では息をするだけで税金がかかると言われています。

  • 仕事で稼ぐと「所得税」
  • 株で稼いでも「所得税」
  • 配当をもらっても「所得税」
  • 何かを買うと「消費税」
  • 住んでいると「住民税」
  • 銀行預金で金を預けても「所得税」
  • 法人化すると「法人税」
  • 金を使い切れず死んだら「相続税」


お金を持っているとPTにも憧れるというものですよね。
将来的に大増税が想定されるので、今のうちに「5つのフラッグ理論」から「5つの国」を探しておくほうがいいですね。


PTに規制が入る前に準備しておこう

最後に、本書から一言。

国家はただの道具だ。利用できる人間が利用すればいい。

「永遠の旅行者」より

「グローバル化がすすむ現在ではもはや単一国家が税金を搾り取るのは限界があるのでは?」
と思う今日この頃です。

GAFAをはじめとするグローバル企業はとことん租税回避に勤しみ、世界各国はデジタル課税で徴税しようとする。

PTという存在もそのうち国際的な規制が入るかもしれません。

今のうちにいろいろ準備しておきましょう。

この記事を書いたのは私です

ケンタ
ケンタ
1級ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士。
【経歴】1977年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、多種の業界で管理部門をほぼ経験しました!(IT、経理、経営企画、財務、人事、マーケティング)
【得意分野】人生設計やプラン作成、分かりやすく説明したいです。
【趣味】カフェめぐり(日本全国のスタバ旅など)グルメ、ストイックな勉強。

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