今回は「波の音が消えるまで」という小説をご紹介します!
沢木耕太郎さんの小説「波の音が消えるまで」を読み終えました。
この本はすべて合わせて800ページを越える大作ですが、読み応えがありましたよ。
それにしても、主人公の伊津航平がどんどんバカラにのめり込む様がすごいんです。
まず、この小説のあらすじをザックリと述べます。
ある青年(伊津航平)が高校卒業と同時にアルバイトでお金を貯め、サーフィンの聖地オアフへ向かいます。
そしてサーファーから写真家の助手になりましたが、もう一度サーフィンに挑戦すべく今度はバリ島へ飛びます。
彼はバリ島から日本に帰国する途中、マカオに滞在することになりました。
そこで偶然カジノに寄ったときにバカラを覚えることになり、そこから新しい物語が始まるのです。
私はバカラのルールを知らなかったのですが、この小説でバカラの基本的なルールを知ることができました。
バカラにはまる恐怖を小説から追体験できたので新しい知見を得ました。
無一文になるまでバカラに搾取される様子には感動すら覚えましたね。
最初こそバカラのなんたるかを知らなかった主人公ですが、バカラの魅力にとりつかれて、次のような心境に陥ります。
あともう少しマカオに居たかった。そして、あともう少しバカラをやってみたかった。
「波の音が消えるまで」より
すでに9万円近く負けていたが、その負けを取り戻したいわけではなかった。
バリ島で使うつもりだった金が80万円ほど残っている。これをすべて使い果たしてもいいのだ。
もはや金銭感覚が麻痺しているように思われますが、この小説を読み進めていくと、こんな状態はまだマシだと気付きます。
このシーンはこう続きます。
丁半博打なら勝つも負けるも偶然にすぎないはずだ。
「波の音が消えるまで」より
しかし、バカラにはそれ以外の何かがあるような気がする。それがどんなものかはよくわからないが、単なる丁半博打とは違う何かがあるように思えるのだ。
このような一種の「刷り込み」がされることがギャンブルの怖さなのかもしれません。
ぼくも先日、株式投資で大損をこきましたが、この心境に近いんですよね。
株式投資は単なる丁半博打とは違う何かがあるように思えるのだ。
言い訳にしか聞こえない。
物語のなかで、航平はマカオのカジノで劉さんという謎のおじいさんと出くわします。
劉さんはバカラの必勝法を追求していたのですが、彼が亡くなったとき一冊のノートが航平に渡されました。
そこにはこの一言が。
波の音が消えるまで
おそらく「バカラの必勝法」を現すこの言葉の意味を追求すべく、航平は「バカラの必勝法」を探すためにひたすらバカラに打ち込みます。
そして、ついにその言葉の意味が分かるときが来ます。
この言葉の意味が分かったとき、ぼくは身震いしました。
果たして、バカラには必勝法があるのでしょうか?
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