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われわれは「ブレイクショットの軌跡」を読んで社会の裏を知るべきです


「同志少女よ敵を撃て」でおなじみ逢坂冬馬さんの小説「ブレイクショットの軌跡」
600ページ近くある大作でしたが、読むにつれてどんどん展開に引き込まれました!

いまだからこそ必読の小説かも!



この小説の最大の魅力は、普段私たちが目にすることのない「社会の裏側」をリアルに読み込める点にあります。
小説だからこそ書ける「身もふたもないリアル」を含めた読書体験をシェアします。


「ブレイクショットの軌跡」


小説を読んで、社会のダークサイドを知るべし

この小説の一番の見どころは現代社会の闇や裏側をとても丁寧に描いていることです。
「それを言っちゃうんだ!!」と驚くレベルのストーリーが生々しく展開。
ノンフィクションでは書けないような真実を、小説という形を借りて教えてくれています。

実際にありそうな特殊詐欺のスキームや、そこに群がる人々の欲望がリアルに描写されており、読んでいて「うーむ」と唸りましたね。


詐欺にあわないためには詐欺師のテクニックを知るのが一番ですわ!


たとえば、世にはびこっている怪しげな投資コミュニティの実態についても詳細な記述があります。

1億経済塾や志気が推薦する投資方法は単純で、「収支を見直して、長期分散、積み立て投資でお金を増やす」になる。いやもっと単純に言うなら「優良なインデックスファンドを買え」で終わる。
それでは、コンテンツとしての塾は成り立たない。必然的に塾の科目は、「目標設定をして、それを叶えるためにお金を稼ごう」という趣旨が加わり、特にカウンセリングを受ければ、今のままではかなわない、あなたの夢に近づくのだ、と思わせる。それが全て虚構だとは言わない。
だがー

目的と手段。夢と彼。その関係は容易に入れ替わる。
〜中略〜
不安に基づく楽観論を与え、投資手段を教えると、皆は稼げ、稼げ、投資しろと自らを追い込むようになり、いつの間にか、夢を忘れた拝金主義者ができあがる。

ファイナンシャルプランナーにとっては「それを言っちゃおしまい」

ほかにも、世帯分離をした晴斗の生活保護の窮状もリアリティーに溢れていますし、反社と関わってしまうとどうなるのか、も怖いほどわかります。
あと、個人情報保護法も悪用の仕方もしっかりと本文を読んで知っておきましょう。


反社に関わると、一生にわたり人権がなくなるのか……。



伏線回収の妙よ!

物語は、自動車工場の期間工のストーリーから始まり、中央アフリカの活動家、そして東大卒のエリート官僚が運営する投資会社へと視点が移っていきます。
一見バラバラに見える主人公たちの人生(サッカー、投資、YouTube、特殊詐欺、そして反社会的勢力)が、どう着地するのか。
ハラハラしながら読み進めましたが、こんな感じで伏線を回収するとは!それぞれのストーリーが、まるで導かれるように一つの終着点へとたどり着く構成は、まさに見事でございます。

同性愛やダイバーシティ、コンプライアンスといった現代社会が抱えるテーマも反映されており、まさに今こそ読むべき小説ですね。
そういった意味では、羽田圭介さんの「タブートラック」に通ずるところがあるようにも感じました。


【参考記事】ハラスメントの境界線がよくわからない今こそ読みたい羽田圭介の「タブートラック」



「ブレイクショット」が持つ2つの意味

本のタイトルにもなっている「ブレイクショット」には、実は2つの意味が込められていることに気づきます。
1つは、作中に登場する「ブレイクショット」という車の名前です。 ある工場で作られたその車は、様々な場所を転々とし、最終的にはアフリカへと渡ることになります。
この小説は、その車の持ち主たちの連綿としたストーリーとしても読むことができるのです。

そしてもう一つは、ビリヤードにおける「ブレイクショット」という意味です。
静止したボールの塊を突き崩す最初の一打、それはまさに、登場人物たちの人生や社会構造を突き崩すきっかけを象徴しているようでした。

ラストには非常に印象的なシーンがあり、読後の余韻が残りました。


ネーミングに隠された遊び心も

あと、登場する名称やネーミングも、後から「なるほど!」と思うところが多々あります。
たとえば、作中に登場する「松代不動産」
超絶ブラックな不動産会社なのですが、これをひらがなにすると「まつしろ不動産」となります。

「まっしろて!超真逆やん!」とあとからツッコメます。



登場人物の一人で自動車の期間工として働いている「本田昴」も、カタカナにすれば「ホンダスバル」
自動車の期間工だけに自動車メーカーの名前を組み合わせたネーミングだったとは……勇気ある名付けかた!

こうした細かい遊び心を探すのも、本作の楽しみ方の一つかもしれません。

こんなセリフ言ってみたい

すごく欲張りなことを言うと、登場人物の一人であるラビリンスの社長「宮苑」のその後が気になって仕方ありません。 彼はインサイダー取引で起訴されたあと社長の座をゆずりましたが、出所後どんな人生を歩んでいるのか。
恐るべき先見の明を持った彼が次に何をするのか、凡人のわたしには想像もつかない。


ちなみに、私がこの小説で1番印象に残ったセリフが宮苑の次の言葉。

どのへんにその自信の根拠があるのか、と聞かれて宮苑はあっさり答えた。

根拠?自信に根拠なんて持っちゃだめだよ、冬至くん。
いぶかしむ冬至に宮苑は諭すように続けた。

君が自信を持つのに、根拠を求めたとして、絶対的に確かな根拠がどこにある?
〜中略〜

根拠のある自信は、ときに根拠ごと倒れる。だが、根拠のない自信は無敵だ。
俺には自信があるが、根拠など何なにもない。経産省に入省したことも、東大卒であることも関係ない。

俺は俺だ。だから自信がある。


どうやら、自信に根拠はいらんようです。


AI時代の自衛としてぜひ一読を。

「ブレイクショットの軌跡」



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この記事を書いたのは私です

ケンタ
ケンタ
いまは兼業会社員ですが、2025年中に行政書士事務所を開業予定!
【経歴】1977年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、多業界ですべての管理部門を経験しました!(IT、経理、経営企画、財務、人事、マーケティングなど)
【保有資格】1級FP技能士・宅地建物取引士・行政書士試験合格(2024年)・HSK2級・TOEICそこそこ。
【得意分野】人生設計。計画立案。ライティング。図解。
【趣味】カフェめぐり。グルメ。勉強。旅。表現。

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