先日、映画「入国審査」を鑑賞してきました。

わずか77分という上映時間でありながら、そのほとんどが薄暗い「取調室」という異様な空間で展開されるのには驚きました。
低予算ぶりがすごい。
この作品は、海外移住の厳しさを描き出すだけでなく、わたしたちが当たり前だと思っている権利や尊厳について考えさせられる内容でした。
やはり、トランプ政権です。
そして、ベネズエラ出身の監督自身の経験が盛り込まれているので、移住のリアリティをイメージできます。
監督・脚本を手掛け、まさに一夜で無名のクリエイターから、今最も注目される映像作家へと転身を遂げたのは、ベネズエラ出身のアレハンドロ・ロハスとフアン・セバスチャン・バスケス。ロハス監督自身が故郷のベネズエラからスペインに移住した際に、実際に体験したことからインスピレーションを受けて本作を生み出した。第二次トランプ政権下のアメリカで、移民の強制送還や不当な逮捕が日々報道されている昨今。
似たような事件が世界各国を揺るがしていて、日本人にとっても決して遠い国の話ではない。これは、“あなた”にいつでも起こりうる話。まさに危機感を持って観るべき、リアリティMAXの話題作!
そして、わたし自身も海外ビザ取得を計画しているので、この映画は勉強になりましたね。
来週からヨーロッパへビザ視察旅に出るので、めちゃくちゃいいタイミングだったかも!
この映画の特異性は、なんといってもその舞台設定にあるでしょう。
スペインのバルセロナから、新生活を夢見てアメリカへやってきた事実婚のカップルが主人公です。
しかし、彼らは入国審査で止められ、別室での二次審査へと進むことになります。
ここから、出口のない尋問劇が始まるのです。
審査官が投げかける執拗な質問を通じて、二人の関係性や過去が少しずつ、しかし確実に暴かれていきます。
スクリーンに映し出されるのは、希望に満ちた新天地の風景ではありません。ただただ、無機質な部屋と、権力を持つ者と持たざる者の間のいびつな空気が漂っているのです。
日本人であるわたしたちは、世界でも「最強のパスポート」を持っていると言われています。
日本人パスポートは、海外への入国について有利な条件をもっているのです。
そのため、入国審査でこれほどまでに苦労する状況は、なかなかイメージしにくいかもしれません。だからこそ、この映画はわたしたち日本人が見るべき作品だと強く感じました。
「アメリカファースト」という言葉に象徴されるトランプの自国第一主義や、世界各国で見られる極右的な政策の台頭。こうした時代の流れの中で、海外へ移住することのハードルが、かつてなく高くなっている現実を肌で感じましたね。
今は日本での生活に不自由を感じていなくても、今後どうなるかは誰にも分かりません。
「海外に拠点を置く」という、もう一つの人生の選択肢を考えるわたしにとっても、この映画が描く現実は他人事ではないのです。
この映画の中で、わたしが特に印象に残ったシーンについて触れておきます。
(ネタバレにならないよう詳細は伏せますね)
内縁の妻であるエレナの職業がダンサーだと知った審査官が、彼女にこう言い放ちます。
「踊ってみせろ」
音楽もない、狭い取調室です。二人の審査官が見下ろす中でコンテンポラリーダンスを踊るなど、屈辱以外の何ものでもありません。
そして、エレナが意を決して踊ろうとした、まさにその瞬間。
審査官は絶妙なタイミングで「やめろ、座れ」と冷たく告げるのです。これはもはや審査などではなく、人の心を愚弄する人権侵害では……。
些細なシーンかもしれませんが、人としての尊厳を揺さぶると思った場面です。
権力を盾にした、あまりにも一方的で残酷な仕打ちに、スクリーンを見ながらぞっとしました。
この映画は、わたしたちに多くのことを問いかけてきます。
国境とは何か、移住とは何か、そして、人と人との信頼とは何なのか。
そして移住を余儀なくされる人々がいるという事実。
最後のシーンでは「ん?」と思いましたが、重いテーマを突きつけられた77分間でございました。
余談ですが、現在わたしはスペイン語を勉強中。
この映画では英語とスペイン語が使われていましたので、少しヒアリングを試みました。
しかし、聞き取れたのは「Porque(なぜ)」くらいでした……。
まだまだこれからです!
これまで本を書き、旅を重ね、資格取得を通じて「人生の再出発」を経験してきました。
現在は、2026年の行政書士登録に向けて準備を進めています。
わたしのテーマは「制度を理解して人生の次の一歩を支えること」。
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