今回は「間違う力」というエッセイをご紹介します!
冒険家の高野秀行さんの「間違う力 オンリーワンの10か条 (Base Camp)」というエッセイは名著です。
90分程度で読めるので、移動中にでも手をとってみてください。
まず注目すべきは高野さんの「心得」というか「モットー」です。
この本ではそのモットーを「10か条」として述べられており、その項目をざっとみるだけでシビれました。
その10か条の一部を挙げてみましょう。
(第1条)他人のやらないことは無意味でもやる。
(第2条)長期スパンで物事を考えない。
(第3条)合理的に奇跡を狙う。
(第4条)他人の非常識な言い分を聞く。
(第5条)身近にあるものを無理やりでも利用する。
(第6条)怪しい人にはついていく。
「間違う力 オンリーワンの10か条 (Base Camp)」より
すごいファンキーですよね。
「長期スパンで物事を考えない」
「合理的に奇跡を狙う」
これらは一般人からみればその意味がわからないかもしれません。
しかし、本書を読み進めると高野さんの合理的かつ現実的な思考を垣間見れます。
高野さんがこの本を通じて一貫して伝えたかったことは「間違えてもいいからとにかく行動することの重要性」ではないでしょうか?
たとえば、第6条の「怪しい人にはついていく」では以下のような記述があります。
結局のところ、怪しい人についていくと、たいていは痛い目に遭うが、ときには素晴らしい幸運に出会うこともある。それを前もって知ることはできない。だから、怪しい人に誘われたら、とりあえずついていくしかないのである。
「間違う力 オンリーワンの10か条 (Base Camp)」より
これはすごく理解できます。
私も怪しい人にいろいろと誘われる機会がありましたが、ついていくとしょうもない勧誘であることが多々ありました。がっかりすることも多かったです。
でも、その結果どうなるかなんてついていかないと分からないんですよね。
私たちは「あやしい」という理由だけで行動を回避しがちです。
しかし、事前にバイアスのかかった判断をすることにより、面白い機会をロスしているのかもしれません。
高野さんは破天荒なふるまいをしているにも関わらず、とても合理的な考えを持っています。
「確率」を重んじているのです。
「長くやると道が開ける瞬間がある」という節ではこのような記載があります。
長くやっていれば、当然、技術があがり、経験も積めるが、それだけではない。
「間違う力 オンリーワンの10か条 (Base Camp)」より
確率があがるのである。
具体的に以下のように説明されています。
長くやって何かを積み重ねて一流になるとかいう話ではなく、確率的に3年に1回チャンスが来るとしたら、10年やれば3回チャンスが得られる。3回チャンスがあれば、それをつかめる確率はぐんと高くなる。勘や人生論でなく統計学的にそうなるはずだ。
「間違う力 オンリーワンの10か条 (Base Camp)」より
統計学的な観点からみても、長くやることにはメリットがあるのです。
たとえばブログの運営を例にとってみましょう。
長くブログ運営を継続して3年に1回くらいはバズる機会が訪れるとしましょう。
そうすると、10年ブログを継続してきたベテランは3回バズることができます。
3回バズったらある程度は認知度が高まりますよね。
でも、問題は「そこまで続けられるかどうか」なんですよね。
ブログの10年選手はほとんど皆無ですから、みんなとにかく辞めちゃうんですよ。
最後に、以下の文章で締めくくりましょう。
繰り返しになるが、どの世界もやったもの勝ちである。
「間違う力 オンリーワンの10か条 (Base Camp)」より
いくら猛練習を積んでも絶対に試合に出ない野球選手に価値はない。
一流の素材より二流のプロの方がずっとマシである。
私も含めて、みなさんやる前にいろいろと考えすぎるんですよね。
飛び込まないと分からないことは多々あります。
やったもの勝ちなのだから、いろいろとやってみましょう。
そして間違えましょう。
「間違える力」こそ現代人に必要な要素なのかもしれません。